こんにちは!Audiostock事務局です。
4月9日(金)にオンライン開催した、「プロが教える!動画の演出~SE・効果音:実践編~」の開催レポートをお届けします。
目次
1.開催のきっかけ
2.セミナーの構成について
3.セミナー内容ダイジェスト:SE・効果音のポイント
4.参加者アンケートより
5.おわりに
開催のきっかけ
Audiostockでは以前から、動画制作における「音」の処理や演出に関するノウハウを知りたいというお声をいただくものの、そのようなご要望にお応えできるコンテンツが少ないという背景がありました。
そこで、音響効果 / MAミキサーとしてご活動されている井上尚昭 様を講師としてお招きし、SE・効果音の音付けセミナーをオンラインにて開催しました。
開催日時:2021年4月9日(金) 13:00~
場所:Zoomにて開催(オンライン)
テーマ:『プロが教える!動画の演出~SE・効果音:実践編~』
講師: 井上尚昭 様
セミナーの構成について
本セミナーは以下の流れに沿って、お届けしました。
- 前置き
- SEは重要ではない?
- 番組 / CM / VP / Webに合わせて効果音を使い分けよう
- ディレクターがやっていない5つのこと
- SE分類術
- SEの作り方
- レベル調整
- 選曲について
- まとめ
セミナー内容ダイジェスト:SE・効果音の音付けポイント
1時間にわたりお話しいただいたSE・効果音セミナーの中から、ほんの一部ではありますが、映像制作に役立つポイントをご紹介します。
【POINT1】ディレクターがやっていない5つのこと
1.本線にEQ、コンプがかかっていない
街中や工場でのロケの際に雑踏や機械の音により、リポーターの声などがうまく聞こえない場合があります。
そういった場合はEQで不要な帯域を削ることで、対応することができます。
EQの設定のコツ(但し状況による。あくまで標準的な例)
- ~50Hz:ノイズが中心なので切る。
- 200Hz付近:人の声の中低域や、部屋の余分な残響が溜まって音がこもりやすいので、低減することで明瞭度を上げる。
- 3000Hz付近:人の声の艶がこのあたりに出やすく、耳に届きやすい帯域でもあるので、増やすことで明瞭度を上げる。
2.本線がステレオのまま
ステレオマイクで撮ったものをそのまま使用すると、響き方や左右での音量差などにより聞こえ方に違和感が発生します。
そのため、リポーターなどの「喋り」については、モノラルにしましょう。
ステレオの方がモノラルに比べて音が良いということではないので、シーンにより使い分けることが大切です。
3.SEのレベルが大きすぎる
SEのレベルを下げるのは、躊躇してしまいがちですが、下げることにミックスバランスが上達するヒントがあります。
4.編集されていない
音楽が良くてもそのまま貼り付けるだけでは、シーンとうまく噛み合いません。
楽曲のAメロ / Bメロ / サビが、ナレーションとうまく噛み合うように音付けすることが大切です。
5.フェードイン、フェードアウトへの配慮がない
フェードイン、フェードアウトも1つの表現なので、画が切り替わるタイミングできっちりとする必要はありません。
編集のテンポやBGMなどを考慮して、耳で聞いて自然な方を選択しましょう。
【POINT2】SEの作り方
複数の素材を重ねよう
1つの音に対して複数の素材を重ねて作ります。
例えば「ドーン」の音を「ドギューン」という音にする場合、「ド」「ギュ」「ン」と3分割で考えて素材を用意し、重ねてSEを作成します。
また、「高音域」「中音域」「低音域」と音域で素材を重ねることも有効です。
【POINT3】選曲について
音楽の種類について
選曲にあたり、音楽は「早い」「遅い」「明るい」「暗い」の4種類で考えることができます。
そこからさらに「楽器」「年代」「規模感」「メロの有無」「メロの泣く泣かない 」を意識して、ナレーションの原稿やインタビュー内容についての表現を後押しできる音楽を選びましょう。
重要度を決めて、エンディングから逆算しよう
オープニング、エンディングなどリソースを注ぎ込みたい箇所を見極めて、先に選曲をしましょう。
特に、エンディングから逆算することで、どこに向かって音付けをすれば良いかが明確になるので、ブレない選曲をすることができます。
上記でご紹介したポイントの他に、実際の編集画面でのSEの音付けやジャンルごとのSEの使い分け、セミナー参加者様よりいただいた質問について、詳しくご紹介いただきました。
参加者アンケートより
映像制作会社のご担当者様をはじめ、音響効果 / MA、放送局、YouTuberの方々など、約200名の皆さまにご参加いただきました。
また、アンケートにもご回答いただきましたので、その中から一部感想をご紹介いたします。
実際のSEの付け方について、細かく知ることができたので、イメージもしやすかったです。また、どのポイントが重要で、どのようにクライアントと打合せしておけば良いかという部分も今回とてもイメージできました。
映像制作
エンジニアとして少人数で開発しているので、自らSE等を選定してアプリに組み込むこともあり、頭を悩ませることが多かったのですが、プロの方々がどのような思考でその音にしたのかなど、大変興味深いお話が聞けて良かったです。
映像制作
同時に、日々の業務にも多くの引き出しを持つプロの方の力を借りたいという気持ちが強まりました。
おわりに
改めまして、ご参加いただいた皆さま、登壇いただいた井上様に心よりお礼申し上げます。
Audiostockは今後も、皆さまのお役に立つセミナーを開催していきます。
セミナー情報については、当ブログにて公開してまいりますので、ぜひご覧ください。