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BGM使用時の著作権は大丈夫ですか?著作権が問題となるシーンまとめ

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こんにちは!Audiostock事務局です。

日常生活の様々なシーンで使われているBGMですが、楽曲を使うときに忘れてはいけないのが著作権です。イベントで使いたい楽曲があるけど、著作権はよくわからないし迂闊に使えない…なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、音楽にまつわる著作権について、基本的な用語解説から、実際にどんなシーンで利用申請が必要なのか、違反をしてしまったらどうなるのか等、詳しく解説していきます!

そもそも音楽の著作権とは?

まずは、著作権関連の話でよく出てくる用語を整理してみましょう。

 

■著作物

思ったことや感じたことを創作的に表現したものを、著作物といいます。

(例:小説、音楽、絵画、映画、写真等)

■著作権

著作物を作った人(=著作者)に与えられ、自身の著作物を第三者が利用することを制限できる権利が著作権です。楽曲の場合、作詞者や作曲者が著作者にあたります。

著作権は、登録や申請の手続きを経て発生するのではなく、著作物が創作された瞬間から自動的に発生する権利です。

他人の著作物を利用したい場合には、著作権を持つ人に許諾をもらう必要があります。
なお、著作権は譲ったり売買したりすることができるので、著作者と著作権者が異なる場合があります。

■著作隣接権

楽曲を創作した著作者ではなく、楽曲を歌う人・演奏する人、レコード製作者・放送事業者など、楽曲を人々に伝える人に与えられた権利のことを、「著作隣接権」といいます。

著作隣接権は、著作権と同じように、登録や申請の手続きなく自動的に発生する権利です。

■支分権

著作権には、利用方法ごとに「支分権」と呼ばれる権利で構成されており、利用許諾を取る際には、どの「支分権」についての許諾であるのか明確にする必要があります。

支分権には、不特定多数の人に向けて音楽演奏を聴かせたり、市販CDを再生したりするときに問題となる「演奏権」、著作物をコピーするときに問題となる「複製権」、ラジオ放送やテレビ放送時に問題となる「公衆送信権」等があります。

 

これらはごく一部ではありますが、著作権の話によく出てくる用語です。

著作権についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページを参考にしてみてください。

▷JASRAC「音楽著作権とは」

 

他人の楽曲を使いたいときには、必ず著作権者の許諾を取らなければいけないのか?といえば、すべての場合に当てはまるわけではありません。

続いて、許諾が不要で使えるケースを見ていきましょう。

利用許諾が不要なケース

■私的利用のための複製

自分自身や家族など限られた範囲内で利用する場合(=私的利用目的)であれば、楽曲を自由に複製することができます。

例えば、以下のような場合はOKです。

・自宅で音楽を聴くためにレンタルショップで借りたCDをパソコンにリッピング(複製)する

・パソコンからウォークマンやiPodなどにコピーする

 

■営利を目的としない上演等

学園祭でのバンド演奏や、学校の合唱コンクールなど、以下の3つをすべて満たす場合に限り、許諾をとらなくても演奏をすることができます。

・営利を目的としない

・観客から料金を受け取らない

・演奏者に報酬が支払われない

 

■著作権の保護期間が切れた楽曲

著作権の原則的保護期間は、著作者が楽曲を創作した時点から著作者の死後70年までとされています。

ただし、団体名義の楽曲の場合の保護期間は、公表時から70年であったり、第二次世界大戦における連合国民の一部の著作権には戦時加算があったり、例外もあります。

なお、保護期間が70年となったのは2018年12月30日以降で、以前は50年とされていました。すでに保護期間が切れている楽曲は、さかのぼって保護期間が延長されるわけではありません。

保護期間についての詳細は、こちらのページをご確認ください。

▷文化庁「著作物等の保護期間の延長に関するQ&A」

 

それでは次に、どのようなシーンで利用許諾が必要なのか、具体的にはどのような手続きをしたら良いのか?というのを見ていきましょう。

利用許諾が必要なケース

■結婚披露宴

結婚披露宴でのBGMは、多数のゲストが一度に同じ音楽を聴くことになるため、著作権の支分権である演奏権が働くことになり、利用許諾を取る必要があります。

ただし、結婚式場の多くはJASRACと包括契約を結んでいるため、JASRACが管理する楽曲のCDであれば、個別に申請を行う必要はない場合が多いです。(一部の結婚式場やレストランなど式場以外の場所では包括契約が結ばれていない場合もあるので、会場にあらかじめ確認が必要)

ここで注意しなければいけないのは、市販のCDを用意する必要がある、ということです。

市販のCDをスマートフォンに複製したものや、CD-ROMに焼いたもの等は使用することができません。

・演奏利用
著作権管理事業者(JASRAC等)が管理しているアーティストの曲を、式場でバンド演奏することや、市販されているCDをBGMとして流す行為は、著作権の支分権のひとつである「演奏権」という権利が働きます。

※式場が著作権管理事業者と契約していれば、新郎新婦側がなにか申請をする必要はありません。

・複製利用

プロフィールムービーをBGMつきの状態で1枚のディスクにすることは複製利用にあたり、著作権の支分権のひとつである「複製権」という権利が働きます。この場合は、JASRACなどの著作権管理事業者の許諾だけでなく、レコード会社からも許諾をとる必要があります。(著作権管理事業者は、レコード会社が管理する著作隣接権(原盤権)の管理は行っていないため)

著作隣接権を管理しているレコード会社等にも許可をとらなければいけないので個人では難しく、代行業者を利用することが多いです。

ISUMとは

ブライダルシーンでの著作権、著作隣接権の許可を得るための手続きを代行してくれる一般社団法人。

ただし、個人での申請はできず、ISUMに登録したブライダル事業者のみが手続き可能となっております。式場やブライダルの映像制作会社にお願いしてプロフィールビデオ等を作ってもらえば、ISUMの中から使いたい楽曲をピックアップして、手続きしてもらうことができます。(ISUMに登録されていない曲は、リクエスト可能です)

手作りのプロフィールムービーに楽曲をのせたい場合は、自分でJASRACや日本レコード協会に許可をとる必要があるので、注意が必要です。

▷一般社団法人 音楽特定利用促進機構(ISUM)


ブライダルシーンで利用するBGMについては、こちらの記事でクイズ形式で解説しているので、興味のある方はご参考にどうぞ!

tips.audiostock.jp

 
■店舗内BGM

先ほどの説明の通り、お店のBGMとしてCD等を流す場合、演奏権が働きますので、利用許諾をとる必要があります。

しかし、2002年4月までは、利用許諾を得ずにCD等をBGMとして流すことは違法ではありませんでした。なので、以前から店舗経営をされている方は、利用許諾を得る必要はない、と考えている方も多くいらっしゃるので、知らぬうちに違法をしないよう注意が必要です。

・JASRACへの申請方法

JASRACが管理する楽曲であれば、JASRACに申請すれば利用することができます。手続きは、申請書を提出して使用料を払うだけ、と意外と簡単。ちなみに、使用料は店舗の大きさによって変動します。

詳細はこちらをご確認ください。

▷JASRAC「各種施設でのBGM」

■YouTube等での動画配信時の音楽

誰でも手軽に動画投稿ができるYouTubeですが、こちらも著作権には気をつけなければいけません。

また、YouTube動画にBGMをつけたいときは「著作権」だけでなく、「原盤権(著作隣接権のひとつで、レコード製作者の権利)」にも注意が必要です。

YouTubeはJASRACやNexToneと著作権の包括契約を結んでいるので、個別に楽曲の利用手続きを行わなくても管理楽曲を利用した動画をアップロードすることはできます。

JASRACやNexToneに管理を委託していないアーティストの楽曲を利用するには、著作権者の利用許諾が必要ですので、注意が必要です。

ただし、結婚披露宴のケースでも触れましたが、JASRACやNexToneなどの著作権管理事業者が管理しているのは著作権のみであり、原盤権の管理は行っていません。CDや有料配信サイトで購入した音源を動画に使いたい場合には、原盤権を管理しているレコード会社の許諾を得る必要があります。

▷JASRAC「動画投稿サイトでの音楽利用」

 

それでは最後に、違反をしてしまった場合に科せられる罰則についてご説明します。

違反してしまった場合の罰則

利用許諾を得る必要があるのに、利用許諾を得ずに勝手に楽曲を使ってしまった場合、著作権侵害となってしまいます。

著作権侵害の場合に発生するペナルティは、「民事上の請求」と「刑事上の罰則」の2種類です。

■民事上の請求

民事上の請求としては、以下の3つがあります。

a.侵害行為の差止請求

b.損害賠償の請求

c.名誉回復などの措置の請求

 

a~cの3つの請求は、どれかひとつだけというわけではなく、理由が認められればすべて請求される場合もあります。

 

■刑事上の罰則

著作権侵害には罰則がありますので、場合によっては逮捕起訴されて刑事裁判を受けることになります。

有罪となった場合には刑事上の罰則が科せられ、10年以下の懲役または1000万以下の罰金となります。これらは併科可能なので、懲役と罰金の両方が科せられる場合もあります。

なお、侵害者が法人の場合は、罰則はより重くなり、3億円以下の罰金となります。 


いかがでしたでしょうか?

著作権は、著作者が作品を創作し続けることが出来るように与えられた大切な権利です。

複雑ではありますが、知らなかった…では済まされないので、楽曲利用の際にはくれぐれも気をつけましょう!

 

▽記事監修

弁護士 高木啓成(アクシアム法律事務所)

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